あまり知られていませんが、クレジットカードには、とってもお得な機能がついています。それが今回説明する“海外旅行傷害保険”です。カナダに到着してから90日間は、保険料を無料にできるので、1つの節約術として見逃せませんよね。
1. 自動付帯と利用付帯
海外旅行傷害保険の適用するには2種類あって、自動付帯と利用付帯があります。
自動付帯とは… 海外に行く際に自動的に海外旅行傷害保険が適応されるという便利な機能です。特別な手続きも要りませんし、クレジットカードを所有しているだけで保険が効きます。多くの場合は入国から最大90日間の保険適応になりますが、保険適応の日数はクレジットカード会社によって異なることがあるので確認が必要です。
利用付帯とは… 留学に使う航空券などの旅行費用をクレジットカードで支払うことによって、初めてカードの保険が適応されるという種類です。 お勧めは、自動付帯です。利用付帯だと、クレジットカードを利用しないと保険が適応にならないので、ちょっと神経を使いますよね。自動付帯はクレジットカードを持っているだけで保険適応になるので安心です。
2. 適応期間の90日を過ぎても延長できるの?
実は、適応期間を過ぎてしまっても、一度日本へ帰国し再度出国すれば、再度保険適応となりますが、このために一回日本に帰国するのは航空券代がもったいないですよね。
90日以内の短期留学の場合であれば、クレジットカードの保険で滞在期間カバーされるので問題ありませんが、91日以上の留学となる場合は注意が必要です。カナダ滞在中に、日本の保険に加入するのは少々困難ですし、保険費用も割高になってしまいます。日本の保険に加入したいという人は、91日以上の留学予定であれば最初から日本の保険へ加入することをお勧めします。
しかし、カナダの現地保険であれば延長も簡単にできるので、現地保険の補償内容で問題ないようであれば、安く節約する意味でも、クレジットカード保険から現地保険の切り替えという形が一番安く済みます。 →現地保険についてみてみる
3.海外旅行傷害保険の補償内容
海外旅行傷害保険で実際に支払われる保険の内訳についてです。 支払われる保険は以下の6種類です。
1 傷害死亡・後遺障害
2 ケガ治療
3 病気治療
4 賠償責任
5 携行品損害
6 救援者
オリコiBカードの例で見てみると
1.傷害死亡・後遺障害:最高2,000万円
2.ケガ治療:200万円
3.病気治療:200万円
4.賠償責任:2000万円
5.携行品損害:15万円
6.救援者:200万円
言葉が難しいので、内訳をみていきますね。
1 .傷害死亡・後遺障害 旅行中の不慮の事故に巻き込まれそれが原因で死亡したり、後遺傷がのこった場合に支払われるものです。
2.ケガ治療(傷害治療) ケガ治療のこと
3.病気治療(疾病治療) 病気治療のこと
4.賠償責任 他人に怪我をさせてしまったり、他人の所有物に損害を与えてしまうこと
5.携行品損害 持ち物が盗難・紛失にあったり、破損したりすること
6.救援者費用 緊急時に家族が来るためにかかる交通費や航空券代などの費用
4.保険で大切なのは、ケガと病気の治療費用
カード選びのポイントは、実際に使う可能性が高いのは、「死亡補償」よりも、「ケガ・病気の治療費用」です。つまり、カードも『ケガ・病気の治療費用』の額で選ぶべきなんです。 カード会社が「最大補償額」と宣伝しているのが、使う確率が最も低い「死亡補償」です。しかし、本当に重視すべきなのは、使う確率の高い「ケガや病気」だからです。 集中治療室に1泊すると1000万円かかるという話もありました。一番あり得る病気が盲腸。盲腸の手術で1泊入院であっても200万円の請求書が届くということも一般的な話です。補償額以外の料金は自己負担なので、もし盲腸で手術を受けた場合、病気治療補償が100万だったとき、足りない分の100万円は自腹です。
5.病気治療費用とケガ治療費用は合算して、額を増やすことができます
三井住友クラシックカードというクレジットカードの場合、病気治療・ケガ治療とも最大50万円です。たった50万円では正直不安が残りますよね。しかし、この病気治療費用とケガ治療費用の額は増やすことが出来るのです。 死亡補償はカードを何枚持っていたとしても、その中の最高補償金額のみしか、支払われませんが、 ケガ・病気治療などの補償は、数枚のクレジットカードの補償額の合わせた額を上限として補償してくれます。 つまり、下の図のように、死亡補償はA社の死亡補償が高いので、A社の2000万が保険適応になり、他の2)~6)の補償は合算できるということです。
A社 |
B社 |
C社 |
合算額 |
|
1) 死亡 |
2000万 |
1000万 |
500万 |
2000万 |
2) ケガ |
200万 |
100万 |
200万 |
500万 |
3) 病気 |
270万 |
200万 |
200万 |
670万 |
4) 賠償 |
2000万 |
2000万 |
1000万 |
5000万 |
5) 携行品 |
50万 |
20万 |
20万 |
90万 |
6) 救援者 |
200万 |
100万 |
100万 |
500万 |
つまり、クレジットカードの海外旅行傷害保険を使うことを考えている場合は複数枚のクレジットカードを持って行った方が総合補償額的には安心ということです。 一方で、何枚もクレジットカードを海外で持ち歩くのは盗まれたときのリスクが怖いので、その点は検討する必要があります。この方法は、できるだけ費用を抑えたい方への情報ですので、やはり最大補償額がちょっと怖いなという方は、保険会社からの海外保険に加入した方が良いと思いますよ。
6.海外旅行傷害保険では適応できない補償もある!?
すべてにおいて保険適応になるわけではありません。病気(盲腸や、風邪、感染など)での死亡は保険適応にはなりませんので注意が必要です。