留学前にやっておくこと、それが役所での公的手続きです。やるべきことは以下の3つです。
1. 海外転出届(国外転出届)の提出
2. 健康保険の手続き
3. 年金の手続き
ではなぜこの3つの手続きが必要になるのでしょうか?その理由も含めて手続きの流れを説明していきますね。手続きの場所はすべて、住んでいる地域の市区町村の役所になります。持ち物としては以下が必要になるので事前に準備していきましょう。
・身分証明書(運転免許証やパスポートなど)
・印鑑
・健康保険証
・住民基本台帳カード(持っている方)
手続きはまず【海外転出届】を行います。その流れで【健康保険】、【年金】と手続きができます。
1.海外転出届け(国外転出届)
そもそも、海外転出届の話をする前に、住民票についての説明が必要です。住民票は、あなたの住居を証明するもので、住民票があることで、国民健康保険・年金・住民税の支払い義務が発生します。もちろん、住民票をそのままにして留学すると、カナダに住んでいても同じようにこれらの支払いをしなければいけません。
そこで、役所に海外転出届を出すことで、住民票を抜くことができるのです。
海外転出届を出す、最も大きなメリットとして国民健康保険と年金、住民税の支払い免除があげられます。
手続きはあなたの住んでいる市区町村の役所に行って申請します。渡航の2週間前から申請が可能です。
必要書類は、役所によって少し異なる場合があるので、問い合わせしてから行くことをお勧めします。
また、よくある事ですが、海外転出届を忘れて留学に行ってしまう場合もありますが、委任状があれば代理申請もできますし、遅れて後からの申請も可能です。中には留学から戻ってきてから申請する方もいました。
2.健康保険
海外転出届を提出することで、健康保険の加入義務がなくなります。留学中に日本の健康保険料を支払うのはもったいないですよね。留学中は、海外旅行保険があるのでそちらの加入をお勧めします。プチ情報ですが、健康保険の中にも海外療養費と呼ばれるものもあり、が以外での受診の際に療養費として、医療費を請求できますが、医療費の一部の費用しか補償されないので、やはり海外保険に加入する方がよさそうです。
海外療養費の詳細はこちらから→海外療養費について
※留学後に気を付けたいこと
留学から帰った後は、すぐに役所にいって、住民票を入れる手続きをしましょう。日本では無保険の状態ですよね。医療を受ける時に10割負担ですので気を付けましょう。
3.年金
住民票がある間は、強制加入の義務があり、払い続けた額に応じて老後に支給される予定のものですが、海外転出届を出すことで、留学している間は、支払いが免除になります。
免除になることで、生涯の払う額が変わるので、将来支給される額が減るということです。逆に、海外にいる間も任意で保険に加入することは可能なので支払い続けることもできるのです(任意加入と呼ばれます)。
つまり、次の2つから選択することとなります。
1. 海外転出届を出して、年金を納めない。
2. 海外転出届を出すが、任意加入の手続きをして、カナダ滞在中も年金を支払い続ける。
前者だと、留学中の年金を払わずに節約できますが、後者だと老後に年金をもらえる額が増えるということです。しっかり検討して決断しましょう。
年金をもらえる資格についてですが、25年以上払っていれば65歳になったときに年金をもらうことができます。留学中に払っていない期間は「カラ期間」と呼ばれ、支払いはしていないが年金をもらえる資格に必要な期間として換算されます。つまり、この25年の支払い必要期間にカラ期間を含めることができるので、年金の受給資格については問題ありません。
必見!住民票を抜くタイミングでこれだけお得、驚きの節約術とは!?
留学を冬~春にかけて出発する人は必見です。住民票を12月31日で抜くか、1月1日で抜くかで、半年~1年分の住民税の支払いを免除できるという節約術です。1日の違いでこれだけ大きな違いがあるのなら、絶対に知っておくべきです。特に社会人留学の方は、住んでいる地域とお給料によっては、30万ほどの節約になる場合もあるのです。
給与所得者の場合
2016年12月31日転出 | 2017年5月まで住民税(2015年の分割払い)は支払う必要がある |
2017年1月1日転出 | 2017年5月まで(2015年の分割払い)を支払った上,
2017年6月に請求される住民税(2016年分)も支払う必要がある |
※退職する場合、2015年の分割払い分は会社から一括で支払うことが多いです。
給与所得者でない場合
2016年12月31日転出 | 2017年6月に請求される住民税(2016年分)を支払う義務はない |
2017年1月1日転出 | 2017年6月に請求される住民税(2016年分)を支払う義務がある |
住民税は、1月1日に住所がある市区町村に対して支払う税金なので、 前年の1月~12月までの所得に対して課税され、 6月に役所から請求がきます。
1年以上日本を離れる場合は、海外転出届を役所に出した場合、住民税は免除されます。
ただ、既に請求されている住民税に関しては支払う必要があるので、冬~春にカナダ留学を検討している方は、必ず1月1日になる前に住民票を抜いておくことをお勧めします。