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親からみたカナダ高校留学~15歳の息子を送り出しての心境~


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カナダの高校に留学したい!と思う方も多くなってきました。よくそれぞれの学生さんのインタビューや体験談は目にしますが、親目線の、子どもをどうやってサポートしたらよいか、心配事、不安、進路についてなど、わからない点も多いと思います。

親にとっても初めての留学。この記事では、T君の親御さんからの体験談をご紹介します。

 

通った学区: ノースバンクーバー教育委員会

 

1) なぜカナダを選んだか

選んだ理由の第一は、比較的治安が良いこと、そして、カナダが国の政策として留学生を受け入れているため、留学生の数が多く、様々な国籍、人種、宗教の人たちと知り合うことができる点です。十代後半の多感な時期に肌で世界を感じてほしいと思いました。

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2) どのように高校を選んだか

8歳上の兄が高校2年時にバンクーバーに留学していたので、彼の意見をもとに希望地区を決め、ウエストコースト代表の美和さんに候補の高校を数校決めていただき、直接ご案内いただいた上で決定しました。美和さん自ら車を運転してお連れくださいましたので、時間のロスなく回ることができましたし、事前にアレンジしてくださったおかげで、高校の担当者にお会いでき校内を見せていただけました。校内を巡りながら美和さんの通訳で担当者にいろいろ聞くことができたことで、納得のいく高校選びができました。本人はもちろん、私にとっても、パンフレットや、ネットの情報だけでなく直接訪問できたことで、留学開始後の心配が大きく軽減されたと思います。

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3) お子様がカナダ留学から帰国されたときどのように成長していたか(留学の成果)

まず、体つきが逞しくなりました。15歳から18歳という大きく変化する時期ですので、夏と冬に帰国するたび体つきががっしりしてくるのがはっきりわかりました。

精神面の変化も大きかったです。息子は3人兄弟の末っ子で、食べ物に好き嫌いが多く、友人の家で食事をすることすらナーバスになるような頼りない子どもでしたが、物事に動じない強さ、臨機応変に行動する対応力が身についたと思います。卒業して本帰国した折には、3年間やり切ったということが大きな自信となったようで、わが子ながら立派になったと思いました。

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4) お子様が留学中に困ったこと・不安だったこと・心配だったことを教えてください

留学開始から2~3週間経った頃、ステイ先のお宅のニオイがどうしても我慢できないと言ってきました。イラン出身の方のお宅でしたが人柄も環境も申し分なかったので、相当我慢していたようでしたが、食事をするのもつらくなり、思い余ってのことのようでした。ウェストコーストのスタッフさんに相談するように話すと、すぐに動いて下さったそうで早々に別のステイ先に移ることができました。

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ステイ先のことは解決しましたが、数ヶ月後今度は、「今のままでは留学した意味がない」と言ってきました。学校では出身国ごとにグループができていて互いの交流がなく、やりたかったサッカーもチームへの加入はトライアルが有り、何とか加入が認められたものの雨の多い冬場は練習がないため、たくさん友達を作りたいのにその術を見つけられない、と言うのです。限られた日本人と付き合うなら留学した意味がないから帰国して日本の高校を受験しなおす、とまで言いはじめました。かなり思い詰めていた様子で、電話で深いため息を漏らすたび心底心配になりました。

とにかくまたスタッフさんに相談するように伝え、私は編入できる日本の高校をひそかに探しました。取りようによっては本人の努力不足ともいえる悩みで、だからこそ当人も言い出しづらかったようですが、スタッフの方は根気よく話を聞いてくださり、帰国ではなくバンクーバーで他の高校に転校するという解決策を出してくださいました。そして、ステイ先から通える範囲の高校を一緒に見て回り、小規模でアットホームな高校に決めました。煩雑な転校の手続きもしっかりサポートしてくださり、2年目の11年生からそちらに通いました。

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結果的にはその学校が本人にとても合っていたようで、電話の声も明るくなり、毎日を楽しんでいる様子がうかがえました。サッカーチームにも加入し、「弱いけどみんないいやつだ」と楽しそうに話していました。遠いグラウンドへはチームメイトの親御さんが交代でお連れくださったそうで、息子がチームの一員として受け入れられていることがわかり嬉しく思いました。

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卒業前の3月には学校主催の1週間のドミニカ旅行があり、これはいわば修学旅行のようなものであるらしく、現地の子供たちとの交流や農業ボランティアなどのプログラムを通して、仲間とのかけがえのない思い出を作ることができたようです。

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5) これからカナダ留学する親御様へ向けたメッセージ

高校時代の3年間は人間形成においてとても重要な時期です。精神的に不安定な時期でもあり、乗り切るには周囲の支えが不可欠で、日本にいればクラスや部活の友人、先輩、先生がその役割を担ってくれます。また、日本人として知っておくべき社会常識や上下関係が育まれるのもこの時期ではないかと思います。高校留学という選択、つまり日本の高校に進まない選択を考える上で、実は一番悩んだ点でした。

しかし、こちらのエージェントにお願いしたことでその心配は杞憂に終わりました。というのも、バンクーバーの事務所には出入りの自由なスペースがあって、留学生が三々五々集まってはおしゃべりし情報交換をしたり、悩みを聞いてもらったりと放課後の教室のような雰囲気があります。留学生同士で解決できない事柄にはスタッフさんたちが助言をし、息子の時のように解決に向けて行動してくれます。留学前に息子とともに事務所の訪れたとき、まずこの誰でも受け入れてくれる雰囲気に惹かれました。私には、そこに集まる留学生がクラスメイトや先輩であり、スタッフさんが先生のように映りました。

事務所主催で毎月誕生会が開かれ、年に数度野外キャンプが行われます。高校生の年齢では保護者なしに旅行に行くことが法律で禁じられているため、カナダの大自然を味わうためにもこの野外キャンプはとても助かります。野外キャンプを専門的に学ばれているスタッフさんが主導してくださるので、安全面でも安心ですし、多くのこと学ばせていただくことができました。キャンプでの集合写真を見ると、とても生き生きとした表情で写っていて、貴重なつながりをもてていることが見て取れました。帰国後もスタッフさんや他の留学生との交流は続いていて、息子のこれからの人生において、大切なつながりをいただいたと思っています。

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15才で一人1万キロ離れた地へ行かせるのですから、心配は星の数ほどありますが、でも、本人の決めた道である以上、信じて応援し神様に健康を祈ることしかできません。唯一できることは、良い人間関係を構築できる環境を整えてやることだと思いました。

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